2009年8月31日月曜日

厳しい現実が日本に迫っている

先日の選挙は民主党が圧勝したね。なんだか消去法で選ばれた感が強いだけにこれってどうなんかなーなんて疑念もある今日この頃。もし民主党がこのまま農協だとか郵政族みたいな特権階級意識の強い組織の意見を聞き入れるような事にでもなれば、それこそ日本全体が沈没しちゃうよね。重税国家の民になりたい人なんていないんじゃない?


政治で問題は解決しない
資本主義というしくみを社会が受け入れているかぎり市場原理からは逃れられないわけで、かといって社会主義的な福祉国家に向かえば国ごと非効率になって資本主義国家の優位性の前にジリ貧になることは目に見えてる。1970年代のイギリスみたいに歴史が証明しているしね。イギリスは高福祉高負担の政策をとってたんだけど、経済成長がとまって金がまわらなくなって国民に「そんなん払えるか!」っていう不満が広がってサッチャー政権(注※野村監督の奥さんではない)が生まれた。

普通に生活している人からすると政治がよくなれば日本はよくなるって思うだろうけど、今の状況はそう単純じゃないように思う。
その理由は中国の存在が大きくなっているから。

2008年GDP
中国=約4兆2950億ドル
日本=約4兆3480億ドル

今年か来年には中国に抜かれるのは目に見えてるね。中国が数字を捏造しているなんて議論もあるようだけどそういう瑣末な問題を抜きにしても10億人の人口を抱える国に日本がいつまでも優位にたっていられるわけはないよね。つまり日本は世界で2位の経済大国から3位になると。

ここで問題なのはGDPが抜かれることじゃなくて、日本が間違いなくジリ貧になっていくということ。
これまで日本は世界中から食料などのあらゆる資源を強力な購買力で手に入れてきた。ようするに金でほおっ面ひっぱたいて貧乏な国に作らせたものを手に入れて裕福な生活をしていたのが現実。
それが中国の台頭とともに安価な労働力が大量に生産を始めちゃったから、日本で単純労働する人はただ賃金が高いだけの負債に分類され始めていて仕事をもってかれているというのが今の厳しい現実なんじゃないのかな。当然仕事がなくなれば金も入らず、どんどん購買力は低下する一方。中国の賃金は日本の10分の1だもん。同じものを買うなら安いほうを買うっていうのは主婦に限らず皆そうだよね。中国のアドバンテージは安い労働力だけだって言っても、この差が日本と縮まるのはずっと先の話だろうしね。

このような世界の構造の変化に対して政治ができることは国民に対して危機感を持つように警告することだけだよね。単純労働じゃなくてもっと高度な知識を必要とする商売をしろとか。誰にもまねできない専門的な技能をつけろとか。
だから政治に期待するんじゃなくて、政治に邪魔だけはさせないようにして個人個人が自立した強い意識をもつことがこれからはとてつもなく重要になってくると思う。だって政治は個人を助けられないんだから。

生き残りを賭けた戦略
「ゲームに勝つにはゲームのルールを作ることだ」なんて事をいった人がいたけど、俺も全く同意見。誰かが作ったゲームのルールに従っている限り勝負に勝つのは難しい。でも自分に有利にはたらくルールを作ることができるなら容易に勝つことができる。
アメリカの企業はその辺のことを熟知していてホントに上手くやってるなぁと思う。

アップルはipod、iphone、iTuneを上手く関連づけて消費者を夢中にさせ、そこに集まった消費者を求める企業から高めのシステム利用料を徴収してる。

googleは検索エンジンを消費者の日々の情報収集活動のプラットフォームにすることで、そこに集まる消費者を求める事業者同士を競争させて高い広告収入を得ている。

ゴールドマンサックスはCDSで被った損失を、公的資金注入を受けたAIGを迂回するかたちで補填して納税者に上手く負担させた。

まさにどれもルールを作った者たちの勝利だよね。

日本には残業して努力して苦しんで仕事することが美徳みたいな風潮がいまだにあるけど、そんな非効率な発想をしてたら海外の商人に出し抜かれるだけで誰も幸せになれないんじゃないかな。

俺たちの意思とは無関係に宇宙のエントロピーが増大していくみたいに、人間の感情は巨大な力(マーケットの意思)の前には無力であるという厳しい現実と対峙することが必要だよね。

重要なのはゲームに勝つこと。そのためにはゲームのルールを作ることに労力を注いで全神経を分散させずに一点に集中させることが賢明な選択だと思う。
プリンシプル、アーキテクチャ、インプリメントが全て妥当ならばきっと勝てると俺は信じるよ。

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