2009年8月29日土曜日

正社員≠安定

今みたいに経済が悪くなって不安が広がるような社会情勢になると必ずでてくるのが「正社員=安心」論なんだけど、これって完全に思考停止状態の考え方だよね。


社会保障はパイの取り合いに過ぎない
そもそも今のように企業が雇用を支えて人々の生活を保障するような社会システムは戦後に構築されたもので、経済が右肩上がりを続けてきたから社会保障も充実できたんだじゃないのかな。安倍元首相が言っていた「戦後レジーム」は政治の事を指してるみたいだけど、今の社会システムもそれにあたると思う。

社会保障ってようするに政府が持てる者から持たざる者に富を再分配するわけで、金回りが良いときは金持ちもそれほど文句は言わないけど悪いときは不満がでてくるよね。年金みたいに持たざる者から持てる者に富が渡っているおかしな状況もあるんだけど。

2008年のGDPは497.7兆円で、この金額の範囲内で国民全体に社会保障を提供するっていうのが主婦の考え方になると思うんだけど、政府の場合は国民に借金を負わせることができるからどんどん社会保障でばら撒きをやって1票を頂戴しようと必死になっているようだけどね。で、結局のところ保障を受けるには誰かが負担を背負うようになるわけでマジョリティに属するサラリーマンから取るようになるんじゃないかな。

儲けがなければ正社員だろうと関係ない
儲けがあるから保障も受けられるし給料の支払いもできる。逆に金がなければ企業も個人もあらゆる面で制限される、逃れることのできない資本の論理があるという事実を直視する必要があるじゃないのかな。

正社員になれば安定するみたいなパラダイムって、ヘビに睨まれたカエルが恐怖心に支配されて天敵のいない干潟に逃げ込むのに似てるよね。干潟ごと干上がって路頭に迷うみたいな。

本当の意味で安定を求めるなら、安定を望むことを止める必要があるように思う。ヘビに睨まれたらヘビの頭に乗っかって「食えるもんなら食ってみろ」って言うぐらいの覚悟が必要なんじゃない。実はそこが一番安全だったりするし。

収入が安定の根拠になると考えると、マネーがどこに流れるかは市場の変化に依存して決まるからそれにあわせて自分を変えるしかないし、自己改革をするためには一生自己学習をするしかないよね。

正社員VS派遣なんて構図が世間にはあるみたいだけど、同一賃金同一労働の流れが出てきているし労働法によってエスタブリッシュメント化していた正社員もフラットな環境におかれる事になるんじゃないかな。

本当の意味での安定
ようするに生活を安定させるというのは自分を変化させることに他ならないんじゃないかな。

学習を重ねて希少価値の高い技能を身につければ特定の企業に依存する必要もないし、高い報酬を払ってくれる企業にも容易に移れる。なんなら自分で会社を作ったっていいんじゃない?まぁ技術者と経営者では異なる知識が必要になるけど、俺の知る限り優秀な技術者って勤勉な人が多いから経営者に転身しても良い仕事が出来るんじゃないかな。例えば本田宗一郎氏、井深大氏、松下 幸之助氏、google創業者のラリーペイジ氏・サーゲイブリン氏・エリックシュミット氏、MS創業者のビルゲイツ氏なんて有名どころは皆技術に精通している人だしね。

ITの世界ではプロジェクトごとに人を集め、金融の世界ではプロジェクトファイナンスを行い、目的ごとに資源を集約して利益を上げて分配するっていう合理的な考え方がこれからのメインストリームになっていくんじゃないかと思う。

年齢を重ねただけで高い給料をもらえるような旧来の年功序列システムを続ける組織には金も人も流れなくなっていくんじゃないかな。大抵そういうシステムを好む考え方の持ち主はマーケットのパイを広げるよりも自分のパイを確保することに大きく意識が向く保守的な人材だから、組織に取り入れてもビジネスの拡大に貢献は出来ないんじゃないかと、俺が考えるということは少なくとも他にも同じ考えを持った経営者がいてもおかしくはないんじゃないかなぁ。

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