2009年8月29日土曜日

エルピーダへの公的資金投入ってイカレてない?

とうとうエルピーダメモリに対する政府支援が実行されたね。産業再生法が適用される第1号の事例だけど、政策投資銀行から300億の出資を受けて今後の売上げ回復を狙うらしい。

もしも損失がでれば80%は政府が負担するってことは、事実上国民が払った金がエルピーダに渡ったことになるよね。


他の民間銀行も融資するようだけど、それって会社の将来性に金をだしたんじゃなくて政府がバックについたつぶれない会社としての安全性に出した金なんじゃないのかな。
やばくなったらまた政府が金を出すから融資が焦げ付くリスクは低いって銀行は考えてるんじゃない?

新銀行東京に金をだした東京都の二の舞になるような気がしてならない。一度金を出したらつぶすわけにはいかないって論調がでてきて、結局穴の開いたバケツに水を注ぎ込み続けなきゃならない状況になる。

悪徳先物業者に金を渡して損失を被った投資家が、「損失を取り戻しましょう」という業者の口車に乗ってさらに金をむしりとられるみたいな構図と似てるよね。

政府が何故ここまでDRAM市場を重視しているのかが理解できない。政策を決定する人達の「自負心」が現実を直視することを阻害しているように思えてならない。
「日本の為に私たちが力を貸すことが正義」「DRAMを開発する企業は日本にとって重要だ」っていう"官僚たちの夏"みたいな考え方がマーケットの現実を見えなくするんじゃないのかな。もしくは何らかの「政治的判断」が関与してるのかもね。

エルピーダの世界シェアは約15%で3位。これまでの実績はというと7四半期連続の赤字。DRAMのマーケットはというと、価格競争が激しくてすでにコモディティ化している。ライバルが多くて大量に製品が出回ってるから当然利益も少ない。

政策投資銀行とはいうけど、賢明な投資銀行ならそのような商売に投資しようと考えるんだろうか?

日本の産業を支援するって言ってるけど、それは支援じゃなくて甘やかしなんじゃないのかな。数式を解けない子供に答えだけ教えて解き方を教えない親みたいな。

人、金、物の資源は有限なんだから儲からない産業に不必要に縛り付けるよりも、別の儲けの大きい産業にシフトさせたほうがいいと思うんだけどなぁ。

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