2010年8月29日日曜日

エンジニアが金融を学ぶべき理由

エンジニアが起業を目指したなら、金融を学ぶのが一番の近道かもしれない。

日本のベンチャーキャピタルの現状
日本でベンチャーが育たない原因の1つとして、新規性のある事業でも財務的な裏付けがない限りベンチャーキャピタルが出資しない事が挙げられている。

では、自分がベンチャーキャピタルの立場だったらどうだろう?

超大金持ちに嫉妬とヒガミが集中し、能力に関係なく全ての国民に対して社会保障による分配を行う政府があり、機会の平等ではなく結果の平等を好む日本社会がある。

そんな環境の中で、海のものとも山のものとのわからない複数のベンチャーに投資するにはあまり余剰金がない。

ベンチャーキャピタル、エンジェル、インキュベータなどは、あくまで事業の将来の収益に投資する投資家であって慈善家ではない。

PL上のシミュレーションに少しでも不明瞭な点があったり、市場がこの先シュリンクする見通しだったり、業務のオペレーションの実行可能性に疑念があれば投資しようとは考えないと思う。

つまり日本にベンチャーが育たないのは、ベンチャーキャピタルが投資しないことが原因なのではなく、文化や法律も含めた社会の枠組みの問題なのだと僕は考えている。

それをアメリカと比較して”日本のVCは駄目だ”と批判しても問題は解決しない。

むしろ財務に関しては保守的であることは望ましいことだし、ビジネスマンならば当然の意思決定であるとも言える。

起業家はこの状況を前提とした事業プランを練る必要がある。

キャッシュフローの重要性
不動産証券化商品のREITという話題になった金融商品がある。

これは、不動産業者が不動産の販売や賃貸で上げた利益をREITの購入者に分配するというもの。

2年前、金融危機の影響で資金の供給元である外資系金融機関が融資を渋ったため、十数社もの上場している不動産業者が黒字でありながらも決済ができずに倒産した。

その影響を受けてREITも大きく下落し、投資家は損失を被った。

ニュースで流れる上場企業の決算発表では売上高、経常利益、営業利益、利益の項目が多い。

しかし財務において最も意識すべきなのは、売上高でも利益でもなくキャッシュフローなのである。

どれだけ売上や利益が上がっていてもキャッシュがパンクした時点で会社は倒産する。

理想現実のジレンマの解決策
アイディアがあって起業を目指しているけど、今の景気や自分を取り巻く環境を考えるとそんなことはできないといった諦めの声をよく聞く。
しかし、自分を取り巻く環境に不満を言っていても問題は解決しない。

ソフトバンクの孫さんが言うように、志したものがあるなら脇目もふらず昼夜問わずに必死で勉強し、脳がオーバーヒートするぐらい考え、事を実現するために命をかける。
僕も全く同意見で、娯楽に時間を使うのは勿体無くて友人や知人達からのお誘いも目的に関係がないと思ったら躊躇なくお断りしてる。
女にも娯楽にも酒にも車にもブランド品にも豪邸にも興味のない変人だと思われてるだろうけど、僕の人格がどう思われてるかなんて気にしてるほど人生は長くない。

環境がアイディア実現の阻害要因になるのであれば、環境を変えるか自分の行動を変えるかしか選択肢はないのだから(諦めるというのは論外)、アイディアの実現性、収益性、世界の経済情勢、世界の産業の歴史、人間の心理と脳科学、先人たちが歩んできた失敗や成功の事例を100以上と、あらゆる業界のビジネスモデルを少なくとも100以上は調査して頭の中に叩き込んで、それでも確信が持てるのなら、自らの人生を賭けてでもその実現にコミットし、リスクテイクすべきだと僕は思う。

ただ、現実問題として飯を食っていく必要はある。
金は人生の目的にはなり得ないけど、目的を成し遂げるためにはかかせない必要条件ではある。

ウェブを使えば数えきれないほど利益を生む方法はあるけど、多くの場合はプロセスに時間を取られて新しいサービスやビジネスモデルの構築に割くリソースを確保することが難しくなる。

その1つの解決策として提案したいのが投資とトレーディング収益をキャッシュフローの糧にすること。
当然のことながら資産の目減りリスクは生じるけど、それはトレーディングでも事業でも同様で確率の問題。シリコンバレーのベンチャーキャピタルも投資先10社中1社がGoogleのような大化けする企業が出ればいいという考えのもとで投資をしてるって話だし。

トレーディングなら様々なデリバティブを組み合わせることでリスクヘッジすることもできる。
株式の現物なら指値、逆指値だったり、FXなどのデリバティブならIFD、OCO、IFOといった注文方法を上手く組みあわせることで損失や利益を予め設定することができるし、注文自体も2~3分ほどで終わる。
そして残った時間を使って勉強と新サービスの構築に専念する。

贅沢しなければ生活費ぐらいは余裕で稼げるようになるし、ウェブサービスを中心としたビジネスモデルならば自宅でも仕事が出来る。

エンジニアはもっとビジネスに関心を持ってチャレンジしないと人生がもったいないよ。

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