2010年12月5日日曜日

日本は先進衰退国

エコノミスト誌の日本特集は鋭い考察をしている。
未知の領域に踏み込む日本 1/10
日本の政治に見る世代交代 2/10
下り坂の日本経済 3/10
インサイダーとアウトサイダー 4/10
求められる企業の安楽死 5/10
バッテリーを充電して革新を 6/10
安心できない社会保障 7/10
日本の友人と隣人 8/10
少子化という難題 9/10
文化的な革命を起こせ 10/10

高齢化、減少する人口動態。
持続不可能な社会保障。
遅々として進まない労働市場改革。
政治の空白。
税金によって延命されるゾンビ企業。
台頭する新興国の存在。
成果としてのアウトプットよりも労働時間や横並び意識が重要視される特殊な文化。

未来がどうなるかは分からないが、今の日本の状況が楽観視できるようなものではないことは確かだ。

政治はどうだろう?
既得権をもった中高年層は人口の数で若年層や現役世代を上回り、投票数を意識する政治は必然的に中高年層から支持を得られる政策を立案する。社会保障が持続不可能だという数字を目の当たりにしても自分が可愛い政治家たちにとってドラスティックに改革をするインセンティブがない。改革をしないのは、夕張市のように一度財政破綻して「金がないんだから仕方ないだろ」と人々に改革を強制できる理由をつくろうとする政治的な思惑があるのかもしれない。

日本人の価値観はどうだろう?
一部はグローバリゼーションに対応しているが、偏ったナショナリズムとイデオロギーによって外国人を排他的に扱い、成果よりも年齢や労働時間のような本質的ではない部分を重要視する価値観がある。業種によるとは思うが、IT業界の場合はどれほどのリソースを費やして構築されたかなんて利用者からみればどうでもいい話で、生産者の年齢や労働時間がどうのという話を疑問に思うのは僕だけじゃないと思う。

これらの問題を解決するためには僕達国民の意識が変わる必要があるのは言うまでもないが、このような現実に直面していると知っている人がどれほどいるのかも不確かだ。一部の富裕層は悲観的な日本の将来を見越して、税率が安く教育水準が高いシンガポールなどに移住し始めている。現役労働者や若年層は真剣に海外移住を選択肢として考慮すべき時期にきている。

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