↓CNET Janan の記事
電子書籍の規格統一へ政府が意欲、出版業界の代表らを集めて懇談会を開催
「デジタル化を進めるときに、図書館への納品制度は続くのか。書く側が疲れ果てて倒れないような仕組みをお願いしたい。国の姿勢として、『本はタダで読めるもの』というのをずっと続けて行くのか。タダは文化を育てる力に結びつくのか。本気で話し合える場にして欲しい」(里中氏)
どこかで聞いたようなセリフがあると思ったら、農家の個別保障制度の議論のときにもあったような発言だ。
『本はタダで読めるもの』になっているのは”タダ同然の価値”しか演出できていないからだ。消費者の購買意欲を掻き立てるマーケティングと販売戦略があればたいして価値のない本だって売れる。
今までのやり方(流通、販売を出版社&書店頼み)に慣れてしまって時代の変化に適応できない人は、変化を恐れて政府機関などのルールを決める立場にある者に泣きつくという弱者のメソドロジーしか持ち合わせていない。
文化って、少数の人が楽しくて金をかけずに始めたものが広がって文化になるもんでしょ?
金儲けは文化の後付けなんだから、金がなくたって文化は勝手に育つんじゃないの?文化を創ってるのは人間の創造力なんだから。
アニメ産業だって一部のオタクから世界に広がったわけだし。
恐怖心に支配された思考では感情論でものを考えがちだ。感情でものを考えると次のような弊害をもたらす。
自分の利益だけを考える
自分の利益を考えるのは健全なことであり、創造性を発揮するためにも必要な要素であるが、ビジネスの基本は顧客の利益になるということを明確にプレゼンできることだ。自分の利益を優先した感情で考えたプレゼンでは他人のインセンティブを動かすことはできない。
従来のメタファーから抜け出せなくなる
デジタルにすれば著作権を管理しやすくなるから、供給をコントロールして市場価値(希少価値)を一定に保たせることができる。
この発想は石油産業と同じ戦略だけど、石油産業のメタファーはコンテンツ産業には通用しない。コンテンツはネット人口が増えればリニアに増えていく性質をもった、希少な資源ではないからだ。
著作権についても知名度のある著者は報酬を要求するが、知名度のない著者はマーケティングの一部として無償で提供してもいいと考えるだろう。無名なミュージシャンが知名度を上げるためにネットで音楽を無償提供しているのと一緒だ。そうして全体的なデフレスパイラルがコンテンツの価値をゼロへと近づけていく。
コンテンツの無償化の流れは消費者の意思であり、ネット利用者の総意なのである。いくらサプライサイドが金を払えといったところで、代替品が無償で手に入る環境がそろった今、この流れを止めることはできない。
では、コンテンツから金を生む方法は他にないのか?
そもそもコンテンツを売ることに固執する必要があるのか?
この書籍を読めば次世代のコンテンツビジネスのヒントを得られるはずだ。
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